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第5回 秦川堂書店
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秦川堂書店店主 永森譲さんインタビュー ●東京関連文献が充実 明治期以後につきましては、東京関係のものはかなり充実させているつもりです。本だけでなく、地図、絵葉書、写真などいろいろ集めています。
公共の図書館、博物館さんからたくさんの注文をいただき、その仕事をこなしていくなかで東京関係のものも勉強して、守備範囲を広げていったと言っていいと思います。 ●商業ポスターも主力商品 明治以後の商業ポスターもうちの主力の商品のひとつになってます。スペースがあれば、ポスターは広げたままで見られるようにしたいのですが、それだけのスペースがとれなくて残念です。 ポスターは金額的に、高額のものもかなりあり、まとめての購入となりますと美術館とか大学図書館になります。またそれぞれの企業が社の歴史を調べる必要として集めていらっしゃるようです。 価格的にうちで売却したもので一番高かったのは100万円です。これは美術的価値も認められている優品です。人気商品としては竹久夢二の描いたものでしょう。
品物が市場に出る場合も、コレクターさんから出てくるということは少なくて、ポスターを作っていた会社自体からとか、ポスターを配られていた所から出てくることが多いです。たとえば酒屋さんには酒造メーカーから送られてきたポスターが保存されていたりします。地方の老舗の蔵から出てくることもあります。 日本のポスターの水準は国際的に認められているような高いものもありますし、江戸期の引き札の伝統を継いだ、いかにも日本的なものまで、いろいろな種類があります。大戦当時の陸・海軍兵学校の募集広告や、軍事関係のものも結構動いています。 ●書物ではない文献の重要性 うちは神田に出てきて20年余りになりますが、店が1階ではなくて2階にあるということで、お客様に来店していただくには、何かちょっとひとひねりした商品を並べる必要を感じ、東京関係、地図、ポスター等を充実させていきました。 父が本郷で医学書とか日本の旧アジア植民地関係の本とかの本を商いとしていましたが、古書センターが出来たときに神田に移ってきました。神保町という古書店の本場では他の店と同じような品揃えでは2階というハンデを克服できないと思いまして、東京関係も集めだしました。 東京関係を商うようになり、本だけでなく地図とか絵葉書も集めるようになって、だんだんとポスターなどにも目が向くようになりました。その当時はまだそういうものは商品としてはあまり認められていませんでした。
鉄道関係のものも多いのですが、東京の場合は都電のファンという方がたくさんいらっしゃいまして、いまでも関連するものを追いかけてます。特に都電は廃止されてしまい、もう記録としてしか残されていないということも大きいかと思います。 ほかの鉄道関係でも、だんだんと廃線になる路線が増えてきて、そういうものは記録としてきちんと残しておかなければという思いで文献をそろえています。産業史では鉱山関係も似た状況です。 満州関係のものもそうです。もう戦前の満州を知っている方が少なくなりつつありますから、いよいよ関連文献を残しておくことが重要になってきています。うちでも満州関係のものは結構動いています。それは、生きているうちに、文献をきちんとチェックしておきたいという方が少なくないからだと思います。 いろいろな分野で、報告書等、内部資料的なものも集めていますが、資料性をおびた記録という点から見ると、本の土台となるもので、本そのものと価値はそう違わないと考えています。おもに地方(じかた)の文書ですが、江戸期の古文書なども心がけて集めています。 カタログでの販売の場合、公共図書館、学校、郷土資料館等が多いです。お店にいらっしゃるのは基本的には個人の方です。コレクターの方とか研究者の方とか、また個人的に郷土史を調べている方、ご自分のルーツ探しでいらっしゃる方とか皆様、それぞれです。
私の店では、お客様とゆっくり、いろいろな話ができるよう狭いながらも場所を用意してあります。お客様とのコミュニケーションを大切にしながらでないと、マーケットがきちんと確立していない分野ではこれらの商品をそろえてくることはとても出来なかったと思います。この分野はこれから広がっていくことが見込める分野なので、その分、やりがいがあると感じています。 ●秦川堂書店本店 取り扱いジャンル ワンポイント 秦川堂目録年3回発行。 |