所蔵機関訪問
第二回 横浜開港資料館


日本の都市の中で、横浜は独特の地位を占めている。
 神奈川の寒村だった横浜が劇的な変化をとげたのは幕末の開港のときであり、
それ以来横浜は日本の欧米文化の受け入れ基地の役割を果たしてきた。 「舶来
」とか「異国情緒」という言葉はいまでも横浜に結びついている。
 海運の衰退とともに、欧米への窓口という役割は低下してきたが、横浜は関東
で東京を除いては唯一の100万都市であり、東京にはない独特の雰囲気をもった
街として人気がある。
 この横浜の大桟橋の近く、中区の日本大通りの海岸通りに沿ったところに横浜
開港資料館はある。設立されたのは1981年(昭和56年)6月2日。
 この場所はかつて幕末の1859年に、横浜開港を決めた日米和親条約が締結され
た場所であり、また陰暦の6月2日(太陽暦では7月1日にあたる)というのは実際
に横浜が開港した日で、以後「開港記念日」として人々に親しまれている日であ
る。
まさにこの資料館は横浜開港にゆかりの時にゆかりの地に建てられた記念館で
ある。

▲中庭。玉楠の木が茂っている。

 横浜開港資料館の門をくぐると、すぐに目に付くのは中庭にそびえている玉楠
の大木である。この大木は幕末期からあるものの二代目とのことで、一代目の玉
楠の木は日米和親条約締結の際の応接所の目印になったという有名なもの。「ペ
リー提督横浜上陸の図」という錦絵にも印象的に描かれており(この絵はこの資
料館に展示されている)歴史の証人そのものだ。


▲一階・ペリー関連史料。

 横浜開港資料館の展示室は一階と二階に分かれており、横浜の開港に関する多
くの資料が展示されているのは一階展示室。鉄製の地球儀と蒸気機関という近代
を象徴する展示物がまず目を引くが、それらに並んで、ペリーが来航したときの
艦船の模型や星条旗の現物、幕末期の書簡類などが陳列されている。
 
 二階は横浜の歩みを示すブロックと企画展示室とに分かれている。
 横浜の歩みのブロックでは、床に横浜の町並みの地図が描かれており、その地
図の該当の場所にその場所の昔の写真や模型などが設置されて、その場所の昔の
姿が立体的に浮かび上がってくる仕掛けになっている。


▲一階・開港時の地図や図版史料が展示されている。

企画展示室は年に4回、横浜開港資料館がもっている貴重な錦絵や写真などの
コレクションの中からテーマを決めて、その一端が展示公開される。しかしあく
までも一端であって、とにかくこの資料が所蔵している幕末から近代の歴史史料
類は膨大であり、全部を展示することなど不可能であるが、横浜開港資料館の公
式ホームページには所蔵品の概要が載っているので、それである程度の見当をつ
け、さらに詳しくはテーマごとの所蔵品目録が発行されているので、それらを見
てもらうのが一番いい。


▲二階・横浜の歩みブロック

  この資料館の敷地には旧英国領事館だった建物が建っている。いわゆる「洋館
」で趣深い建物だが、今は一部が休憩所として使われ、他は事務棟となっている

 
 横浜というのは東京に比べると全体に街が広々としており、リラックスした雰
囲気が漂っている街だが、とくにこの開港資料館のあたりは、海に近いところに
あって街路が広い。資料館はゆったりとした敷地と趣のある建物、中庭にはベン
チも置かれているから、のんびりするにはうってつけの空間だ。東京からは1時
間もあれば来られる距離でもある。ちょっと日常から離れたいときにぶらっと訪
ねるにはうってつけの場所ではないだろうか。

●所在地 〒231-0021 横浜市中区日本大通3
●TEL 045(201)2100 FAX 045(201)2102
●開館時間 9:30am-5:00pm(入館は4:30pmまで) 
●休館日 月曜日、年末年始、資料整理日 
●入館料 大人200円、小中学生100円
団体(30名以上)大人150円、小中学生80円
※次の場合入館料の減免制度(無料や減額)があり。
横浜市発行の「長寿のしおり」「敬老特別乗車券」「愛の手帳(療育手帳)」「障
害者手帳」をお持ちの方。学校行事等で利用の場合。 
※詳しくは事務室まで。

公式ホームページはこちらです。
http://www.kaikou.city.yokohama.jp/index.htm